2013年9月11日水曜日

夏の名残り





                               

                             I wish I could go traveling again /Stacey Kent
               



          I wish I could go traveling again
          It feels like this summer will never end...
 



         ようやくすこし涼しくなってまいりました・・・か
         どんなに暑くても
         そのうち次の季節が巡ってくるという確かさは
         ちょっぴり後ろ髪をひかれるような淋しさがあるものの
         やはりありがたいことです
              
         酷暑で一瞬たりとも外出したくないなんて思っていても
         気温が5℃も下がったら
         ふらりと出掛けてみたくもなってくるものです       
     




         「あの頃のようにまたどこかへ出かけてみたい
          この夏は終わらないような気がするから」
     

               



         英国の作家カズオ・イシグロ(日系のかたなんですね)
         がステイシー・ケントに歌詞を提供しています
         イシグロさんは彼女の大ファンだとか



         旅でのいろんなエピソードが語られます


               
         時差ボケでヘロヘロになったうえに荷物がどこかへいっちゃったとか


               
         レストランで
         現地の習慣についてああだこうだと論議して熱くなっていたら
         ウエイターさんによくわからない土地の言葉でたしなめられたとか
  

               
         ホテルの火災報知機の誤作動で真夜中に叩き起こされたとか



               
         交通渋滞に巻き込まれて
         帰りの飛行機に間に合うかひやひやだったとか



         などなど


         トホホながらも今となってみれば
         微笑ましい想い出になっていることばかり



         そして
               

          苦くて
          でもほんの少しだけ光がみえてきたような現在が歌を締めくくります





          この曲が収録されたステイシーのアルバム
          「Breakfast on the morning tram/市街電車で朝食を」

                                でイシグロ氏は何曲か詞を書いています
               
          どれも一編の短編小説のようで
          それを語るステイシーの表情も
          優しくてとてもすてきです